Category Archives: Allantus属
- Allantus luctifer (Smith, 1874) ハグロハバチ
- Allantus nakabusensis Takeuchi, 1929 サクラセグロハバチ
- Allantus sp. Allantus属の一種
Allantus sp. Allantus属の一種
種不明その1。山中で撮ったハバチの一種です。2016年5月26日 徳島県徳島市/撮影・投稿者:kisar6様
(写真のハバチは、サクラセグロハバチまたはその近縁種だと思われますが、Arge様の説明の通りで、種名の特定は難しいと思われます。by 管理人)
Allantus luctifer (Smith, 1874) ハグロハバチ
ハグロハバチを飼育してみたところ、サクラセグロハバチとそっくりであることがわかりました。試しに終齢幼虫を枯れ木の上に置いてみたところ枯れ木に潜りました。土の上に置いてみたら、土にも潜りました。どっちでも良いみたいです(1枚目の写真)。
サクラセグロハバチも同じかも知れません。前回の報告で誤った印象を与えてしまったような気がするので、確認がとれたら報告したいと思います。
成虫写真は、今回飼育した個体で、葉っぱの上に置くと身繕いを始めたので、そのとき撮影しました。2枚目の写真は、お腹に白い模様が無かったので♂だと思います。3枚目の写真は、白い模様があるので♀だと思います。2009年 撮影者:Hepota様
Allantus nakabusensis Takeuchi, 1929 サクラセグロハバチ
サクラにいたハバチの幼虫を飼育しておりましたが、このたび羽化しました。
(このハバチをはじめ黒色で淡色紋を持つハバチは、紋の形状や範囲に変異があります。複眼の色は乾燥に伴う変質によると思われます。ハバチの複眼はアオメツマグロハバチのような一部の例外を除いて通常黒ですが、乾燥すると色が抜けることがあるようです。このハバチと斑紋が似たものは同属のツツジセグロハバチ A. rhododendriのみです。こちらも変異があるようですが、今回は幼虫からの飼育ですのでサクラセグロで間違いないと思います。
サクラセグロハバチの所属については問題が残っています。日本産広腰亜目の食草(III)で奥谷禎一先生が書いておられるように、昔からAllantusとは別属という意見がありましたが、長い間ちゃんと検討されていませんでした。
その後、1999年に中国で新属Stenemphytusが記載され、サクラセグロハバチも同時にその属に移されました。
ところが、2003年にはAllantus属の新種として、サクラセグロハバチの近縁種と思われるツツジセグロハバチ A. rhododendri が記載され、Allantus属の検索表中にサクラセグロハバチも含まれています。この中にはStenemphytusについては全く触れられていません。
というわけで、Stenemphytus属の模式種とサクラセグロ、ツツジセグロの3種をそろえて再検討が必要と思われますが、「大阪のハバチ・キバチ類」の作成時にはそこまでできず、Togashi (2003)に従う、という形になっています。
Wei, M. & Nie, H., 1999. A new genus and three new species of Allantinae (Hymenoptera: Tenthredinidae) from China. Journal of Central South Forestry University, 19(3): 15-18.
Togashi, I., 2003. A new species of the genus Allantus Panzer (Hymenoptera: Tenthredinidae) feeding on Rhododendron reticulatum D. Don (Ericaceae) in Japan. Proc. Entomol. Soc. WAsh., 105(4): 896-900.
by Arge様)
2009年5月中旬採集 東京都府中市/撮影者:Hepota様