Cerceris hortivaga Kohl, 1880 ナミツチスガリ

Cerceris hortivaga

Cerceris hortivaga

ツチスガリがコハナバチらしきハチを狩っている場面に遭遇しました。ハチは2枚目の写真を撮った直後に飛び去りました。(ニッポンツチスガリやヒメツチスガリと斑紋が似ていますが、こちらはゾウムシ類を狩ります。 by 管理人) 2011年9月11日 兵庫県篠山市/撮影者:ハンマー様


Cerceris hortivaga

踏み固められた林道の中央に小さな穴が3つ並んでいました。アリやミミズが掘ったように土が盛り上がった中央に巣穴が開いています。真ん中の巣穴bに出入りする蜂を採集したものです。初めて見る蜂でしたが頭でっかちで大顎が発達しています。なんとも可愛らしい蜂で、一目で気に入りました。体長12mm。

地中営巣性の蜂を観察するのは初めてだったので、この夏で一番嬉しい出会いの一つでした。上に添付した写真は巣穴bから出てきた蜂bを一時捕獲し、現場でCO2麻酔して撮ったものです。採集してしまうともう営巣行動を観察できなくなってしまうので、生かしたまま動きを止めてもらい同定用に接写しました。

その後は解放した♀bがどうなったか分かりませんが、隣の巣穴aに出入りする別個体♀aの活動を長時間、連続観察することが出来ました。♀aは右の触角が欠損していることから別個体と判明しました。互いに近い場所で集団営巣するのですね。巣坑aに出入りする様子をなんとか動画に収めたものの、獲物の運搬についてはどうしてもうまく撮れませんでした。来季以降の挑戦課題として楽しみに取っておきます。

獲物のコハナバチと思われる蜂の死骸(麻痺?)が巣の近くに転がっていました。もしかしたら、ツチスガリが獲物を運搬途中で落としたものかもしれません。時々この死骸に興味を示し飛びついてくる蜂がいたのですが、動きが速過ぎてよく見定められませんでした。

(ツチスガリの仲間は、集団的に営巣し、造巣活動は夜に行われるそうです(早朝にはしぐま様の写真のような土盛りができている)。まず坑道を掘り、連続的に狩りをして獲物を集め坑道内に狩り貯蔵し、それから育房を作るそうです。さらに、育房に続く坑道は固く埋めておく習性があるので、巣を掘り出してみても途中で坑道が全く不明になってしまうことが多いそうです。 by 管理人)

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1番目の巣穴aを監視して出入りする蜂aを連続観察してみました。帰巣間隔が予想できなかったので、毎回入口に蓋をすることで蜂の帰巣を見落とさないよう工夫しました。少し邪魔してやることで小さなツチスガリの素早い動きを観察する時間を稼ぐ効果もあります。

しかし獲物の運搬はうまく撮れませんでした。帰巣して巣坑に頭から入る際、脚で土を掻き出し入口を仮閉鎖することがあるようです。外出時は頭から出てくるので、巣坑は中で方向転換できる広さがあるようです。その日の活動を終えると中から入口を閉鎖して巣篭りしました。

2010年8月下旬 山形県(里山・標高470m地点)/撮影者:しぐま様


Cerceris hortivaga

何の躊躇も無く、飛んできてすぐに巣穴に入ってしまうので、レリースタイムラグが小さいとは言えない私のカメラにはきつい被写体でした。ハナバチを狩る。2006年7月 撮影者:ハンマー様


Cerceris hortivaga

岩田先生によると、この蜂の営巣活動のリズムは非常に不規則だということです。坑道に獲物を蓄えていき、おもむろに育房を掘るといった具合だそうです。 2005年6月19日 佐賀県佐賀市/撮影者:ヒゲおやじ様


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