Auplopus carbonarius (Scopoli, 1763) シロハヒメクモバチ
5月中旬、ヒメベッコウ作と思われる泥巣を発掘しました。育房から採集した6個の繭を個別に飼育してみたところ、6月中旬になって Irenangelus puctipleuris が2個体羽化しました。その後、羽化した本種はこの1♂だけでした。
(確かにシロハヒメクモバチかもしれませんが、学名はAuplopus pygialis (Perez, 1905)ではありません。後者はもう少し大型の種です。この辺のことは北隆館の新訂原色日本昆虫大図鑑で簡単に触れておきました.問題はシロハとクロハの関係で、はたして別種かどうか、今調べているところです.遺伝子解析も必要になります。学名は、とりあえずAuplopus carbonarius (Scopoli, 1763) にしておくのがよいでしょう。 by 清水晃様)
泥巣から採集したヒメベッコウの繭のうち二つ(#1, 8)はツリアブに寄生されていました。#8の繭は育房を壊したときに破けてしまい、発生過程を前蛹から見届けることができました。#1は羽化に先立って、寄主の繭を蛹の頭頂部の鋭い突起で破る様子を観察できました。『ファーブル昆虫記』で読んだ通りの劇的な脱出法に感動しました。
双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂」にて写真鑑定してもらったところ、二匹ともホシツリアブであるとご教示頂きました。ここに貼った組写真は全て個体#8です。残る二つの繭は萎びた状態で何も羽化しませんでした。2010年5月中旬 山形県/撮影者:しぐま様
Auplopus属 の記事一覧
クモバチ科/Pompilidae の記事一覧
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- Auplopus carbonarius japonicus Tsuneki, 1990 ナミヒメクモバチ本土琉球亜種
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- Batozonellus annulatus (Fabricius, 1793) キオビクモバチ
- Batozonellus maculifrons (Smith, 1873) ナミモンクモバチ
- Cyphononyx fulvognathus (Rohwer, 1911) ベッコウクモバチ
- Eopompilus internalis (Matsumura, 1911) フタスジクモバチ
- Eopompilus minor Gussakovskij, 1933 コフタスジクモバチ
- Episyron arrogans (Smith, 1873) オオシロフクモバチ
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- Irenangelus puctipleuris Wahis, 2007
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- Parabatozonus jankowskii (Radoszkowski, 1887) フタモンクモバチ
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- Priocnemis irritabilis Smith, 1873 トゲアシオオクモバチ
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- Tachypompilus analis (Fabricius, 1781) ツマアカクモバチ
- クモバチ科の一種 Pompilidae gen. sp.
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