Ancistrocerus melanocerus (Dalla Torre, 1894) ケブカスジドロバチ
山中の建物の外壁の下、コンクリート基礎部分に開いた穴(地上8cm)に見慣れないドロバチがせっせと泥玉を運び込んでいました。残念ながら泥巣が完成する前に蜂が帰って来なくなってしまいました。おそらく寿命を迎えたのではないかと思いますが、貯食行動も見れませんでした。2014年10月下旬 山形県の里山(標高〜650m地点)・未採寸、未採集/撮影・投稿者:しぐま様
ネット検索すると「ケブカスジドロバチの生態的研究 (IV) 北日本での世代数と営巣場所の選択性について」と題した文献が公開されていて、とても勉強になりました。
岩田久二雄先生の著作(『本能の進化』、『日本蜂類生態図鑑』)で調べると、シノニム(Ancistrocerus densepilosellus Cameron,1911)として載ってました。
ケブカスジドロバチの旧名はミヤマスジドロバチと呼ばれていたようです。造巣は借坑性ではなく築坑型で鱗翅目の幼虫を狩るそうなので、今度は巣造りや貯食を最後まで見届けたいものです。
(写真のドロバチは、ケブカスジドロバチ♀のようです。検索キーには記載されていませんでしたが、手元の標本と触角間の黄紋も同じでした。by 管理人)
メス。撮影者:さびきこり様
Ancistrocerus属 の記事一覧
ドロバチ科/Eumenidae の記事一覧
- Allodynerus delphinalis delphinalis (Giraud, 1866) アトボシキタドロバチ本土亜種
- Anterhynchium flavomarginatum micado (Kirsch, 1873) オオフタオビドロバチ本土亜種
- Anterhynchium flavomarginatum tsushimarum (Yasumatsu, 1935) オオフタオビドロバチ対馬亜種
- Anterhynchium melanopterum Sk. Yamane, 1981 ハグロフタオビドロバチ
- Delta esuriens okinawae (Giordani Soika, 1986) クロスジスズバチ琉球亜種
- Discoelius japonicus Perez, 1905 ヤマトフタスジスズバチ
- Eumenes micado Cameron, 1904 ミカドトックリバチ
- Eumenes rubrofemoratus Soika, 1941 キアシトックリバチ
- Eumenes rubronotatus aquilonius Sk. Yamane, 1977 ムモントックリバチ北海道亜種
- Eumenes rubronotatus rubronotatus Perez, 1905 ムモントックリバチ本州亜種
- Orancistrocerus drewseni drewseni (Saussure, 1857) エントツドロバチ
- Oreumenes decoratus (Smith, 1852) スズバチ
- Stenodynerus chinensis simillimus Sk. Yamane et Gusenleitner, 1982 カタグロチビドロバチ本土亜種
- Stenodynerus clypeopictus (Kostylev, 1940) フトカギチビドロバチ
- Symmorphus apiciornatus (Cameron, 1911) サイジョウハムシドロバチ
- Symmorphus captivus (Smith, 1873) オオハムシドロバチ
- Symmorphus decens (Kostylev, 1940) クチビロハムシドロバチ
- Symmorphus foveolatus Gussakovskij, 1933 ハラナガハムシドロバチ
- Symmorphus sp. Symmorphus属の一種
- ドロバチ科の一種 Eumenidae gen. sp.
コメントを残す